本研究室では、窒化物系半導体(GaN, AlGaN, InGaN)を中心とした様々な材料を電子デバイス・光デバイスへと応用することを目指して、実験的な研究に取り組んでいます。結晶成長から半導体プロセス、電気/光特性評価に取り組むことで、ナノスケールにおける新たな作製・測定技術やデバイスの開発を行います。
卒業研究の学生には、一から実験方法の指導も行っていますので、半導体に関わる知識がなくても心配はありません。ただし、卒研配属においては事前面談を必須としていますので、まずは、メールで教員にアポイントを取ってみて下さい。
結晶成長
有機金属気相成長(metal-organic vapor phase epitaxy MOVPE)法により、III-V族半導体材料を結晶成長しています。加熱した単結晶基板を原料ガス雰囲気中に置くことで、基板表面付近で熱分解された原料から原子が基板に付着します。このとき、付着した原子は、単結晶基板の結晶情報(結晶面方位や格子定数)に対して一定の関係を持つように並びます。これをエピタキシャル成長といいます。 有機金属気相成長法では、異なる物性を有する半導体材料の接合(ヘテロ接合)をエピタキシャル成長させることができます。本研究室では、現在、GaNやAlGaN, InGaN等の窒化物系半導体材料を中心にデバイス応用に向けた結晶成長技術の研究を進めています。
半導体デバイスプロセス
半導体プロセス装置によるデバイス試作と、フォトルミネッセンス分光やホール測定など光学的・電気的な評価を行っています。半導体プロセス装置は、研究設備センターの先端研究設備部門(東8号館)や基盤研究設備部門(東6号館 1F)におけるクリーンルームなどの共用設備を利用する他、東31号館にて独自の簡易クリーンルームも整備しています。フォトリソグラフィーやエッチング、スパッタリング、化学プロセス、アニーリングなどの半導体プロセスの設計・最適化によって様々なデバイスの作成が可能となります。最近では、ZnO薄膜を用いたトンネル接合ダイオードや、深紫外発光ダイオード(Light Emitting Diode: LED)などの電子デバイス・発光デバイスを主に研究している他、光波長程度の微細な構造を用いた新たな光デバイスの研究にも取り組んでいます。
研究室紹介ポスター-設備センター2023-全体